この頃の幕府は、ペリー来航や京都御所炎上などの事件が続き、将軍の縁組にまで気を配っている余裕がありませんでした。
しかし、さすがの幕府も、やっと篤姫との縁組を考え始めました。
こうした動きから斉彬は、1855年(安政2年)12月にでも決定されるのでは・・と考えていたのです。
しかし、1855年(安政2年)10月。江戸を大地震が襲いました。
安政の大地震です。
篤姫のいた芝の藩邸も大きな被害にあいました。
そしてこの大地震のため、篤姫の婚礼は延期となってしまうのです。
この時篤姫は21歳。江戸に出てきてすでに2年がたっていました。
篤姫も斉彬も先が見えないこの縁組に、大きな不安を覚えていたでしょう。
この地震の後、篤姫は被害の大きかった芝の藩邸から、比較的被害の少なかった渋谷の藩邸に移ることになるのです。